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東京電力によりますと

  また、去年8月に長野県の出版社が福島市で開いたシンポジウムで公開されたインタビュー映像では福島第一原発の今後について「日本だけでなく、世界の知見を集めてより安定化させることがいちばん求められていると思う。それが地元の人たちにとって改善したと実感してもらえることだ。私自身も体力が戻ったら現場で力を出したい」と述べ、復帰への意欲をのぞかせていました。

  東京電力によりますと、事故発生から退任までに吉田元所長が浴びた放射線量はおよそ70ミリシーベルトで、東京電力はこれまで、「被ばくが原因で食道がんを発症するまでには少なくとも5年かかるので、事故による被ばくが影響した可能性は極めて低い」と説明しています。

  吉田元所長は、9日午前11時32分に東京都内の病院で食道がんのため亡くなりました。

  東京電力の廣瀬社長は「吉田さんは再び私どもと一緒に福島の復興に尽くしたいとの強い気持ちを聞いておりました。持ち前の明るい大きな声で陣頭指揮を執る姿に出会えることを心待ちにしておりましたが、東京電力の再生に向け共に働くことができず無念でなりません」というコメントを発表しました。